若手演出家コンクール2011最優秀賞受賞作
日本語私辞典(にほんごわたしじてん)
作・演出/平塚直隆
いつもの朝、いつもの挨拶をして、いつもの人達に会って、いつものように笑って、いつものように寝る。
そうやっていつも当り前にある物や人が突然消えてしまった。…そんなこともいつもある。
それも日常ならば、当り前に「私」だと思っていた「私」が突然「私」ではなくなってしまう事だってあるだろう。
そうなると失って初めて気づく日常の光景には、さて、誰がいつ気付くのでしょう?
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◎コメント
オイスターズの作品は、というか平塚氏の作品は短編劇バトル「劇王」で確か2作品ほど観ている。
いずれも20分の短編なので本格的な上演は未見。
けれどその20分の舞台はとても20分には収まりきれない茫漠とした広がりを持っていた。
ニヤニヤ笑いながら観ているうちに不安とも希望とも言えぬ感情が生じ、最後にポンと放り出される。
愛憎やら友情やら欺瞞やら、演劇っぽいテーマなんぞ何も無いのに、とても演劇らしい豊かさを持っていた。
なので、それがフルスケールで描かれるとどういう事になるのか本当に楽しみにしている。
…にしてもココ数年、名古屋周辺から続々と才能が噴出しているのが羨ましくも悔しい。
皆、ちゃんと観て、んで、その才能に嫉妬するがいい。自分はもう嫉妬済みなので。
泊篤志(飛ぶ劇場)
◎劇評
世界を滅ぼすのは、コトバ。
名古屋が生んだ要注意の才能・平塚直隆が、筒井康隆の小説『残像に口紅を』をヒントに描いたSF風の物語。ストーカーに悩まされる女性が、彼の存在を消すために「す」の文字を世界から消し去るが、その行為がどんどんエスカレートしていって…。使える文字が限定されていくことで、人々が四苦八苦する様がコメディチックな前半と、言葉がなくなるつれて、大切なモノまでが消滅していく後半の切なさのギャップが、空恐ろしくも美しい。「言葉の力」というものを、従来にない方向から痛感させる怪作だった。(吉永)
演劇ぶっく 2013年10月号
■出演
秋葉由麻(フリー) 川上珠来(フリー) ほしあいめみ(フリー) 河村梓 寺島久美子 横山更紗
覚前遥(クリアレイズ) 田内康介 高瀬英竹 平塚直隆 (※二瓶翔輔は、急病のため代わりに高瀬英竹が出演します。)
■福岡
3月13日(金)19:30☆
3月14日(土)12:00/17:00
※開演の1時間前より受付開始、開場は開演の30分前
(当日券のお客様のご入場は開演の10分前となります)
未就学児入場不可
☆アフタートーク開催 ゲスト:泊篤志氏(飛ぶ劇場)
上演時間は約80分の予定です。
■チケット
一般前売 2,000円
一般当日 2,300円
ユース(25歳以下) 1,000円
チケット取扱→https://ticket.corich.jp/apply/61827/003/
■会場
福岡アジア美術館 あじびホール
(福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル8階)
■アクセス
市営地下鉄
・中洲川端駅下車、6番出口より徒歩すぐ
西鉄バス
・川端町博多座前バス停下車、徒歩すぐ
・博多座・福岡アジア美術館前バス停下車、徒歩すぐ
■主催:オイスターズ
芸術文化振興基金助成事業
■お問合せ
theatrical_unit_oysters@yahoo.co.jp
090-1860-2149(オイスターズ制作部)
◆スタッフ
舞台監督:柴田頼克(電光石火一発座/かすがい創造庫) 照明:今津知也(オレンヂスタ)
音楽:河村梓 宣伝美術:studio maco
制作協力:城早乙合、七緒りか(制作修団プレアデス) 【福岡公演】
劇団スタッフ:中尾達也、古川聖二、高瀬英竹、青井美都、吉田愛、諸橋辰彦、山田大貴
詳細は→オイスターズ http://www.geocities.jp/theatrical_unit_oysters/